こんにちは、移住プランナーの移る夢(いるむ)仲西です。
「私、決めました!憧れの札幌に移住して、これからの人生を楽しみます!」
このような感じで希望に心を膨らませながら、移住プランナーである私に相談してくる人が後を立ちません。
札幌には円山公園や大通り公園、中島公園など沢山の公園があります。特に大通り公園には、シンボルのテレビ塔があり、夏はビアガーデン、冬は札幌雪祭りの会場としても有名ですね。
公園を散策すると、都会の真ん中にいながらも、ゆったりとした時間の流れを感じることができます。しかしながら、札幌に憧れて移住してみたものの、後悔している人々が少なくないという現実があります。
「札幌が好きで移住してきたのに、住んでみたらなんか違ってた・・・泣」
今回は、国内初の移住プランナーとして10年の経歴を誇り、400件以上の移住相談に応じた経歴を持つ私が、憧れの札幌に移住しながらも後悔してしまった理由と、その対策をお教えします。
ぜひ、札幌への移住を考えている人は参考にしてみてください。
■目次(クリックすると飛びます)
どうして札幌に移住して後悔したのか?
札幌憧れ心を躍らせて移住をしたのに、残念ながら後悔をする人もいます。札幌に移住をしたにもかかわらず後悔をする人には、大きく3つの理由があります。それは
- 希望する仕事が見つからない
- 光熱費を考えない住まい選びで失敗
- 除雪の悪さに驚き
です。
希望する仕事が見つからない
札幌は北海道最大の大都市ではありますが、東京と同じようなイメージを持っていると、希望する仕事が見つからないことがあります。実は、札幌市は他の政令都市と比較しても、事業所の数が少ないのです。一例として、人口と事業所の数を比較してみますね。
推計人口ランキング4位の札幌市では、人口およそ198万人に対して、事業所数は約7万4千所です。一方で、推計人口ランキング3位の名古屋市は、人口およそ230万人に対して、事業所の数は約12万8千所です。
同じく、東京都23区ならば、人口およそ927万人に対して、事業所の数は52万6千所です。
そこで、事業所数/人口で比較をすると、札幌市0.036に対して、名古屋市0.057、東京都23区0.055となります。このことから、札幌は人口に対して事業所数が少ないことが解ります。
更に、札幌市の事業所の9割以上が中小企業であり、ほとんどが卸売・小売業や観光・宿泊、飲食業といった3次産業になります。このことから、札幌の移住をしたけれども、思い通りの仕事が見つからずに後悔する人がいるのです。
光熱費を考えない住まい選びで失敗
移住後の住まい選びはとても大切です。例えば、退職後のセカンド・ライフとして、札幌に移住をする人ならば、家を新しく新築するのではなく、中古物件を購入したり、賃貸マンションに住む人が多いでしょう。
特に、札幌は賃貸住宅の家賃相場が、他の政令都市と比較しても驚くほど低く、冬の除雪のことも考えて、賃貸マンションに住む人が多くいます。しかし、賃貸料の安さだけで築年数の古いマンションを選択すると、機密性も下がっており、冬はとても寒く感じてしまいます。
札幌は夏より冬の方が光熱費は高くなりますが、機密性の低い賃貸マンションに住むことは、それだけ余計に費用が掛かることにもなります。
また、札幌はプロパンガスの利用率がとても高いのです。都市ガスとプロパンガスとでは、間違いなく都市ガスの方が安いのですが、古いマンションほどプロパンガスを使用しています。
更に、2018年の北海道胆振東部地震では、北海道の電力供給の弱さが露呈いたしました。これは、北海道電力が原子力発電に依存せず、火力発電がメインであったことが、要因となっています。
こうした火力発電への依存から、北海道の電気料金は「日本で一番高い」といった声が聞かれます。安全面からオール電化や床暖房の住宅を選ぶと、それだけ光熱費が跳ね上がることになります。
このように、住まい選びに失敗し、冬の高い光熱費に悩まされ、移住したことを後悔をする人がいるのです。
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除雪の悪さに驚き
札幌の降雪量は決して少なくありません。例えば、札幌の累積降雪量の平年値約600cmは、最北の稚内と同じ数値です。
そして、私たちの暮らしには、降雪量もさることながら、除雪の行き届きが大きく影響を致します。その除雪の状況をみると、残念ながら札幌市は優れているとはいえません。何故ならば、大きな都市ほど、除雪する道路の本数が多くなるため、作業が追いつかないからです。
もしも札幌に大雪が降ると、除雪が間に合わず、朝の出勤時に車をガレージから出せないこともしばしばあります。また、住宅が立ち並ぶ地域ほど除雪が遅れるばかりか、雪を除けるスペースも無くなってしまいます。
こうした除雪の悪さに暮らしにくさを感じてしまい、札幌に移住したことを後悔する人がいるのです。
札幌への移住を成功させる3つのコツとは?
札幌での暮らしは決して不便ではありませんが、やはり東京に比べると田舎になります。札幌を「大いなる田舎」と揶揄(やゆ)する人もいます。
そこで、移住の専門家として、札幌に移住を成功させる3つのコツをお教えいたします。それは
- 移住後の生活設計を立てる
- 光熱費対策をする
- 雪対策のため地下鉄沿線で暮らす
です。
移住後の生活設計を立てる
札幌では移住後の仕事探しで苦労をすることは先述した通りですが、移住をする前に仕事先を見つけておくと、移住後の生活設計が立てやすくなります。
札幌の事業所は、19人以下の事業所が約89%を占めています。中小企業が圧倒的に多く、給与水準も低いことから、移住後の生活設計を立てておくことがとても大切です。
そして、雪国ならではの支出も考えておかなくてはなりません。玄関前の除雪を業者に依頼するのならば、1シーズン5万円程度の費用が必要ですし、家庭用の除雪機を購入するのならば25万円程度の支出を見込んでおく必要があります。
光熱費対策をする
札幌では冬の暖房費を抑えることが大切です。夏の光熱費と比較して、冬の光熱費が2倍以上になるからです。
例えば、築年数の古いマンションや木造のマンションに暮らすのならば、上層階の部屋を選ぶことで、雪の影響も受けにくく、また階下の部屋の熱で幾分かは暖房費を抑えることができます。
暖房の手段はさまざまですが、最近であれば電気よりもガスや灯油の暖房が、費用を抑えることが可能です。また、ガスならばプロパンよりも都市ガスの住宅を選択し、電気ならば電力自由化により、北海道電力以外の選択肢も検討してみると良いでしょう。
雪対策のため地下鉄沿線で暮らす
札幌では冬の移動手段として、地下鉄が最も安全です。札幌の除雪の悪さは先述した通りですが、大雪が降ることで車での通勤ができなくなります。
また、札幌にはJRが運行をしていますが、地上を走ることから、冬は遅延が多くなります。雪道運転が不安な人であっても、地下鉄沿線ならば安心して生活ができるでしょう。
札幌に住むならどの地域?各地域の特徴とは
札幌はJRと3つの地下鉄路線・市電、そしてバスが運行をしており、交通網が整備された便利な都市です。そこでJR札幌駅を中心とし、
- 駅周辺の地区
- 東方面
- 西方面
- 南方面
- 北方面
の5箇所に分けて、その特徴をご紹介します。下の地図は、JR札幌駅を中心として各地区の位置関係を掴めるようにしています。しかし全てが表示される訳ではないので、拡大や縮小、位置をずらしたりしながら活用してみてくださいね!
駅周辺の地区
駅周辺の地区は、中央区のJR札幌駅周辺から大通り及びすすきから中島エリアまでを指します。「地下鉄南北線沿の札幌駅から中島公園駅まで」または、「路面電車エリア」と言っても良いかもしれません。
飲食店や商業施設が重なり、国内でも有数の繁華街もあります。特に、市電の沿線は、便利に暮らすことができとても人気です。
また、JR札幌駅まで自転車で移動することもできます。最近では、「サイクルシェア」と呼ばれる都市型コミュニティサイクルが整備され、街中に置かれたポート(専用駐輪場)からポートへ、自由に自転車の貸出・返却ができるシステムが人気を呼んでいます。
東方面
東方面は、、白石区及び厚別区の新札幌駅周辺を指します。国道12号線が旭川へ、国道36号線が新千歳空港へと延びており、交通の便利はとても良いエリアです。しかし、一方では交通渋滞が頻繁に発生しており、喧騒としたイメージがあります。
また、古くから開かれたエリアでもあり、「治安が良くない」といった声もあります。
西方面
西方面は、中央区の円山公園エリアを指します。近年で最も人気のエリアです。花見の名所として札幌市民に人気の円山公園があり、札幌で一番オシャレな街と言われています。
札幌の中心地区からも、電車を利用すれば5分程度になり、通勤はとても便利です。環境も良く子育て世代にも人気を得ている一方で、地価や家賃が高騰してきているのがデメリットです。
南方面
南方面は、南区の澄川から真駒内周辺を指します。南区は大きなエリアで大半が山になります。南方面は大学や学生が多く、物価が安いのが特徴です。店舗も多く、古くから札幌の住宅圏として栄えてきました。
地域にも活気がある一方で、坂道等も多いことから、高齢者には暮らしにくい面もあります。
北方面
北方面は、北区の麻生、東区の伏古と呼ばれるエリアを指します。近年最も住宅開発が進んでいるエリアです。道路が整備されて、大型スーパー等の立地も進み、また同じ人気の西方面と比較しても、まだまだ地価や家賃は安いのが特徴です。
ただし、地下鉄の終点駅よりも北側になると、交通機関がバス路線だけとなり、少し不便になります。
札幌はどの方面であっても、地下鉄を利用すれば20分以内で、JR札幌駅と結ばれています。各方面により特徴がありますので、ぜひ、自分にあったエリアを考えてみてください。
まとめ
今回は、せっかく札幌に移住したのに後悔してしまう理由と、後悔しないための対策をご案内しましたが、いかがだったでしょうか?
札幌は198万人の大都市でありながら、東京と比較をすると、やはり田舎であるところを感じます。例えば、地下鉄沿線から外れると、車がないと生活が難しくなってしまいます。
札幌への移住で後悔をしないためには、大都市である意識を持たない事も大切なのではないでしょうか?
札幌は食の宝庫として、新鮮で美味しい食べ物に溢れている印象があります。また、観光客も多く、活気に溢れた町のイメージが大きいでしょう。札幌に移り住み、札幌の良さを再認識しつつ新たな発見を探してみると、札幌ライフも楽しくなるのではないでしょうか。
「The life is only once(人生は一度きり)」。
皆さまに、素敵な移住生活が訪れることを願っています。
最後までお読み頂きありがとうございました、移る夢(いるむ)仲西でした。