こんにちは、移住プランナーの移る夢(いるむ)仲西です。私は国内初の移住プランナーとして、10年以上の経歴を誇り、400件以上の移住相談に応じた経歴を持っています。
相談の中には、移住して失敗したという、悲痛な叫びも多く聞いてきました。
『移る夢さん、夢と希望に満ちたこの長野の山々、今は見るだけで苦痛で仕方ないのです・・・。移住は完全に失敗してしまいました・・・。』
美しい自然に育まれた長野は、移住先としても人気です。「認定NPO法人ふるさと回帰支援センター」が、毎年発表する「移住希望地ランキング」では、この5年間をみても、長野は常にトップ3にランクインしています。
⇒2017年のランキングはこちらからどうぞ。
しかし、これだけ移住先として人気の長野でも、移住したことを失敗と感じて、後悔する人が少なくないのです。移住に失敗する原因には何か傾向があるのか、そして対策はあるのか?
そのような声にお応えして、長野に移住して失敗した原因と、その対策についてお届けします。長野への移住を検討中の皆さまは、是非参考にしてみてくださいね。
■目次(クリックすると飛びます)
長野に移住して失敗した3つの事情とは
心を躍らせて長野に移住をしたのに、残念ながら失敗する人もいます。そこには、長野特有ともいえる3つの事情があります。それは
- 道路が混雑している
- 雪道の運転が難しい
- 思ったより物価が高い
です。
道路が混雑している
長野の道路がなぜ混雑をしているのか?皆さんも知ってのとおり、長野は日本で最も多くの都道府県と隣接しています。ちなみに、長野を取り囲む8つの県は、新潟・富山・岐阜・愛知・静岡・山梨・埼玉・群馬です。
現在、長野には3個の高速道路と13個の国道が縦横無尽に通行し、交通網の整備が進む一方で、県外ナンバーの車の流入にも繋がっています。
特に、善光寺や日本アルプス、上高地などの観光地には、たくさん観光バスが押し寄せて、国道だけでなく生活用道路にまで、頻繁に長い渋滞が発生いたします。
自然に囲まれ、のんびりした暮らしを楽しもうと、長野に移り住んだのに、家の前の道路がいつも渋滞をしていると、やはり落ち着かないのではないでしょうか。
「田舎の一本道」の言葉があるように、田舎にはわき道が少ないため、渋滞が発生すると簡単には回避できません。こうした長野の道路事情は、便利な一方で住みづらさも感じることから、移住したことを後悔する人がいるのです。
雪道の運転が難しい
どうして、長野は雪道の運転が難しいのか?そこで、同じ雪国の長野と北海道の道路事情を比較してみました。
長野県 | 北海道 | |
---|---|---|
路肩の幅 | 狭い | 広い |
道路の交通量 | 多い | 少ない |
道路の勾配 | 多い | 少ない |
トンネル | 多い | 少ない |
カーブ | 多い | 少ない |
山間部の道路 | 多い | 少ない |
県外(道外)の車 | 多い | 少ない |
北海道では道路の除雪を考慮して、路肩を幅広くとっています。それに対して、長野は山間部の道路が多く、路肩幅がとても狭くなっています。道路脇の雪山が車道にはみ出ることで、道幅は狭くなり視界も悪くなります。
また、広大な大地の北海道とは違って、長野の道路は坂道も多くなり、上り坂では凍結路面で立ち往生、下り坂ではスリップ事故を引き起こしやすいのです。
そして何より問題なのが、スキーシーズンになると雪の降らない地域から、慣れない長野の雪道を走るドライバーが押し寄せる事です。雪に不慣れなドライバーが、事故などのアクシデントの原因となるケースが少なくありません。
このようなアクシデントの経験が積み重なってしまい、移住したのは失敗だったかな?と考えてしまう人が後を絶たないのです。
思ったより物価が高い
長野はどうして物価が高いのか?一般的に、長野のような観光地では、物価が高くなるからです。
例えば、都市圏から移住をしてきた人なら、その物価高も気にならないかもしれませんが、地方の都市から長野に移住すると、観光地ならではの物価高が気になるのです。
2016年度の統計によると、長野県の年収は449.2万円です。これは、全国平均420万円よりも高い数字ですが、都会から移住をしてくると、概ね年収は下がることになります。
地方に移住をすると「年収は下がっても、物価が安いので暮らしていける」と、考えている人も多くいます。しかし、地方でも物価高の町ならば、思っているよりも生活にゆとりを持てないため、移住をしたことを後悔し、失敗する人がいます。
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長野に移住を成功させる2つのコツとは
憧れの長野に移住したのならば、失敗しないで、永住できるのが良いに決まっていますよね。そこで、移住の専門家である私から、長野に移住を成功させるコツを2つお教えいたします。それは
- 移住の前にお試し移住をすること
- 仕事にやりがいを見つけること
です。
移住の前にお試し移住をすること
長野には道路や雪道、そして物価といった特有の事情があることをお伝えしました。そこで、長野へ移住を考えるのならば、お試し移住をして長野特有の事情を経験しておくことが大切です。
特に、冬は雪が多くて厳しい季節なので、あらかじめ体験しておく事が重要となります。冬期間の道路の除雪状況や、スキー場が近くの道路渋滞といったところを確認しておきましょう。
仕事にやりがいを見つけること
長野は新幹線の開通により、たくさんの企業が立地することから、就職事情は悪くありません。
現役世代であれば、移住後も仕事をして生活を築き上げなければなりません。やりがいのある仕事に就くことで、道路事情や物価高といった不満も解消されるでしょう。
そこで、自分の好きな仕事に取り組める起業家への道ならば、仕事にもやりがいが持てます。長野は起業を志す移住者等への支援制度が、とても充実しているのです。
一例として、100万円の起業支援金制度を実施する、3つの自治体をご紹介いたします。
長野市
制 度 名:移住者起業支援金
内 容:長野市内に移住して(もしくは移住後3年以内)起業する50歳未満の方に対し、起業に係る初期投資費用(上限100万円)を支援する制度。
⇒長野市のHPはこちらからどうぞ。
大町市
制 度 名:空き店舗活用事業
内 容:空き店舗を商店街の集客に役立つ施設(ギャラリー等)として改修する場合に、改修に要する経費の1/2以内で、500万円を限度に補助。それ以外の事業(サービス業等)で空き店舗を活用に供するために改修する場合に、改修に要する経費の1/3以内で、100万円を限度に補助。
⇒大町市創業支援協議会のHPはこちらからどうぞ。
木島平村
制 度 名:創業支援補助金交付事業
内 容:村内で創業する者に対し、補助対象経費の1/2以内で100万円を限度とし創業支援補助金を交付。
⇒木島平村のHPはこちらからどうぞ。
長野で住まい選びの注意点を教えます
長野の面積は全国47都道府県の中でも4番目に大きな県になります。その長野は、北部(長野市、白馬村等)、中部(松本市、塩尻市等)、南部(伊那市、駒ヶ根市等)、東部(上田市、佐久市等)の4地域に区分されて、気候や風土にも違いがあります。
そこで、長野で住まいを選ぶ時には、気温の低下と積雪を考えなければなりません。特に、古民家は壁に断熱材もなく、室内でも氷点下の中で暮らすことになりかねません。
また、長野の雪は北海道の雪を比較すると、水分を多く含んでおり、とても重たい雪になります。屋根にも雪は積もりやすく、家への負担も大きくなることから、雪下ろしの作業も必要になることがあります。
しかし、長野の重たい雪は除雪も重労働です。若い頃は玄関前の除雪も苦にならなくても、高齢やケガをすることで難しくなります。長野で住居を選ぶ時には、日常の除雪範囲も良く考えましょう。
同じ長野県という事もあり、参考になる話もあるかと思うので、よろしければご覧になってくださいね。
⇒軽井沢に移住して失敗!?3つの原因と対策を専門家がアドバイス
長野県のお隣の、山梨県に移住したいと考えている方向けの情報も発信しています。
山梨県というと、長野県と同じように山に囲まれた自然豊かな場所として、移住先として人気のある地域です。
しかし移住したものの、後悔する人も後を立ちません。
移住プランナーとして活動する私が、なぜ山梨に移住して後悔したのか、そして対策についてもご紹介しています。
⇒山梨に移住して失敗!その原因と対策を専門家がアドバイス
他にも移住について特集しているので、よろしければご覧になってくださいね。
⇒移住についての様々な話題
まとめ
今回は、長野県への移住に関して特集してきましたが、いかがだったでしょうか?失敗する理由や対策について、理解していただけましたか?
移住地として人気ランキング全国1位の長野には、たくさんの移住者が快適な移住生活を体感されています。
また、最近では、長野県のように近郊移住には、旅費が安く済むことから、シーズンステイ(季節移住)を求める人もたくさんいます。
移住を成功するためには、移住スタイルに関わらず、地域に溶け込み地域の活性化に貢献することが大切です。そうすることで、移住を後悔し失敗することなく、素敵な移住ライフが得られるのではないでしょうか。
「The life is only once(人生は一度きり)」。
皆さまに、素敵な移住生活が訪れることを願っています。
最後までお読み頂きありがとうございました、移る夢(いるむ)仲西でした。