こんにちは、移住プランナーの移る夢(いるむ)仲西です。私は国内初の移住プランナーとして、10年以上の経歴を誇り、400件以上の移住相談に応じた経歴を持っています。
昔、朝廷が存在した京都には、歴史的な建造物も多く、清水寺や金閣寺などおよそ1500もの寺があります。伝統的な文化が身近にあることで、日本人は京都への憧れを持っています。
その京都に憧れて、移住を決意する人が跡を絶ちません。しかし、私のもとには
『移る夢さん、京都での暮らしに疲れ果ててしまいました。どうしても京都の生活に馴染めないんです。移住前の場所に、戻りたいです・・・。』
といった意見が寄せられます。憧れて憧れてやっとの事で京都に移住できたのに、なぜ失敗したと感じてしまうのでしょうか?失敗しない対策があるのでしょうか?
そのような声にお応えして、京都に移住して失敗した原因と、その対策についてお届けしますので、是非参考にしてみてください。
■目次(クリックすると飛びます)
京都に移住して失敗した3つの事とは
心を躍らせて京都に移住をしたのに、残念ながら失敗する人もいます。そこには、京都特有ともいえる3つの原因があります。それは
- 歴史と慣習に馴染めず失敗
- 盆地の気候に馴染めずに失敗
- 道路事情に馴染めずに失敗
です。
歴史と慣習に馴染めず失敗
碁盤の目に整備された京都の町ですが、その碁盤の目から外れると「京都人とは認められない」と、古い慣習を話す人が少なうありません。
例えば、京都の有名な行事に「大文字焼き」があります。観光客は「大文字焼き」と呼びますが、京都人は「五山の送り火」と呼びます。
些細なことではありますが、大文字焼きと呼んでしまっただけで、仲間はずれにされた人もいるのです。
また、京都の町を散歩すると、古民家の並ぶ風景に出くわします。近年は、こうした古民家のリノベーションに憧れて、京都に移住を考える人も少なくありません。
しかし、古民家を再生したお店は無数にあり、今では珍しくもありません。まして、古民家を購入して商売を始めても、排他的な京都の町で、よそものが商売で成功するのは簡単ではないのです。
残念ですが、こうした京都の慣習に馴染めずに、移住を失敗する人がたくさんいます。
盆地の気候に馴染めずに失敗
京都の夏はとにかく暑く、年間の真夏日(最高気温が30℃以上の日)は2ヶ月近くあります。
ちなみに、真夏日の多い都道府県といえば、沖縄県・鹿児島県そして京都になります。つまり日本で最も暑い県の一つなのです。
この京都の暑さの原因は、四方を山に囲まれた、盆地の地形にあります。四方を山に囲まれていることから風が入り込まず、太陽に熱せられた空気が町に滞留するためです。
その一方で、盆地の地形は冬を一段と寒くします。風が吹かずに冷気が地上付近に溜まるためです。このように、夏暑く、冬寒い盆地の地形に馴染めずに、移住を失敗する人がいます。
道路事情に馴染めずに失敗
京都の町は碁盤の目になっていることは知ってのとおりです。この碁盤の目になっている道路は、とても便利に思えますが、「走りづらい」と感じる人もたくさんいます。
移住をした最初は、方向が解らなくなり、道に迷うこともあるでしょう。
また、古い町並みの京都は、道幅も狭く、見通しが悪いところがたくさんあります。交差点も多く、車と自転車等との出会い頭の事故も増えていることからも、運転しづらいと感じるでしょう。
ちなみに、京都で運転をするのならば、特有の呼び方も知っておく必要があります。
京都では方向に対して、北へ進むときは「上ル」、南へ進むときは「下ル」と話します。日常会話に出てくるのでチェックが必要です。
なお、東西は南北ほど多用されませんが、「西入ル」「東入ル」という表現もあります。
そして、京都の道路は狭く走りづらいだけではありません。世界でも有数の観光地の京都は、交通渋滞が頻繁に発生し、桜の春と紅葉の秋にピークを迎えます。
こうした、京都特有の道路事情に馴染むことができずに、移住を失敗する人がいます。
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京都への移住を成功させる2つのコツとは
憧れの京都に移住したのならば、失敗しないで永住を出来るのが、良いに決まってますよね。
そこで、移住の専門家である私から、京都への移住を失敗した原因を参考に、成功させるコツを2つお教えいたします。それは
- 郷に入れば郷に従う
- 移住の前に生活環境を良く考える
です。
郷に入れば郷に従う
歴史ある京都には古い慣習がたくさん残っていることは、すでにご紹介しました。ならば、京都への移住を成功させるには、その慣習を理解し受け入れるしかありません。
移住を成功するには、地域の人とのコミュニケーションを大切にしなければなりませんが、京都に移り住むのであれば、地域に溶け込む気持ちはなおさら大切になります。
例えば、京都の人は、祇園祭からお地蔵さんを祭る「地蔵盆」まで、伝統の行事にはとても熱心です。伝統の行事は祭りだけでなく、「町内会運動会」を実施する地域も、たくさん残されています。
京都は「郷に入れば郷に従う」の考えを徹底することが、移住成功のコツといえます。
そして、京都の慣習を学ぶ気持ちが大切になります。自然に地域に馴染む人も、中に入るかもしれませんが、やはり地域に溶け込むための努力をすることが必要です。
そこで、「京都にどれだけ馴染めたのか」を、見極めできるワードをご紹介します。
京都人の有名な話し言葉に、「おおきに」があります。この「おおきに」には、「ありがとう」と「もういりません」の2つの意味が存在します。
そこで、この「おおきに」の意味を、話の中で聞き分けられるようになると、京都に馴染めたといえるでしょう。京都へ移住をするならば、この「おおきに」が成功の目安にしてみてください。
移住の前に生活環境を良く考える
京都には観光で訪れたことがキッカケで、移住を考え始めた人も少なくないでしょう。しかし、夏暑くて冬寒い、盆地ならではの気候は、決して住みやすいとはいえません。
また、道路幅は狭く、渋滞の多い京都の町は、運転をしていてもうんざりすることがあります。
こうした気候や道路環境は、私たちが変えられるものではありません。従って、移住をする前に、「京都の環境を受け入れられるのか」を、良く考えることです。
そして、移住をする目的が明確であれば、こうした環境に負けることなく、後悔をすることもありません。
歴史と活気のある京都で、「自分が何をするために移住をするのか」を、見つけてから移住をすることが成功のコツです。
おもしろい「京都人気質」を知って移住を成功させよう!
最近では、書店で「京都嫌い」という本が売れているそうです。京都人のことを「表面では笑顔でも、腹の中では何を考えているかわからない」と、話す人がいます。
確かに、京都人を「怖い」というイメージを持つ人もいますが、京都へ移住をするのならば、その京都人の気質を「おもしろい」と思うことが大切です。
そこで、おもしろい京都人気質を、いくつかご紹介いたします。
例えば、「一見様お断り」です。これは、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
初めて来店するお客の入店をお断りするものですが、観光客のような一見様を入店させたばかりに、常連様が入店できなくなるのを避けるために、このようなシステムが取り入れられました。
京都以外の人にすると、ひどい話に聞こえますが、京都人はそれだけ人を大切にしていることにもなります。
また、「ぶぶ漬け」を聞いたことがないでしょうか。
「ぶぶ漬け」の「ぶぶ」はお茶の意味になります。訪問先からお茶漬けを出されたら、「もう、そろそろ帰りなさい」という意味なのです。
これも、長居するお客様を傷つけずにお帰りいただくための、京都人ならではの優しい対応になります。
同じように、唐突に渡されるご進物は、「もう2度とあなたに会いたくありません」という、お別れを意味しているのです。
しかし、これも見切りをつけたい相手を傷つけずにお別れをする、京都人の優しい対応といえます。
京都人気質も見方を変えれば、人の優しさが現れたものとわかります。京都へ移住をするのならば、京都人の見方に注意することで、地域に溶け込むことができ、移住の成功に繋がるのではないでしょうか。
同じ人気観光地という事もあり、参考になる話もあるかと思うので、よろしければご覧になってくださいね。
⇒軽井沢に移住して失敗!?3つの原因と対策を専門家がアドバイス
他の地域の移住についても特集しているので、よろしければご覧になってくださいね。
⇒移住についての様々な話題
まとめ
今回は、京都への移住についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?移住を失敗だと感じてしまう理由や、その対策は参考になりましたか?
京都の人たちは町の景観を損なわないために、さまざまな条例を定めて、歴史から風景を守っています。
その一方で、京都は歴史とクリエイティブが混ざり合い、その魅力が観光客だけでなく、多くの人を惹き付けています。日本一の学生の町として、若い人もたくさんいる活気のある町です。
ですので、新しいことを始めてみたいと思う人には、最高の町ではないでしょうか。そして、京都の古い慣習や住んでいる人の気質を認めることで、移住を成功に繋げてください。
他の地域と比べると、京都への移住はハードルが高いかもしれません。しかし、京都の良さを認めて馴染もうと努力すれば、必ず移住は成功するはずです。
「The life is only once(人生は一度きり)」。
皆さまに、素敵な移住生活が訪れることを願っています。
最後までお読み頂きありがとうございました、移る夢(いるむ)仲西でした。