こんにちは~!水棲動物が大好きな、くろいあまがえるです。背中が黒くてお腹が赤く、体内には毒を持つ水中の恐竜――それがイモリという生物です。
日本には、アカハライモリ、シリケンイモリ、イボイモリの3種類が生息していますが、いずれも魅力的な生き物です。なおイボイモリだけは、天然記念物なので飼育することはできません。ご注意を!
私自身、アカハライモリとのお付き合いは、小学生の時に出会って以降、時々途切れつつも今日まで20年以上ずっと続いています。
しかし、友人にアカハライモリを飼っていると言うと、決まって「毒があるんでしょ?」「怖くないの?」「どんなところが魅力なの?」と聞かれます。
――が、この記事を読んで下さっている方は、アカハライモリに、興味を持って下さっていると思います。
少なくとも、拒否感は無いですよね?
そこで今回は
- アカハライモリを飼うために必要な7つの物
- アカハライモリを長生きさせるための3つのポイント
について、今も実際に飼っている経験談を交えてお届けしますね。
この記事を読んで頂ければ、アカハライモリを飼う前のグッズの知識はもちろん、実際に飼っていく上でのポイントもバッチリです!
そして、アカハライモリの魅力については、連載でじわじわとお伝えしていきますので、楽しみにしていてくださいね。
■目次(クリックすると飛びます)
アカハライモリを飼うのに必要な7つのグッズ
アカハライモリを飼うのに、最低限これだけは揃えて欲しいと私が思うグッズを、優先度が高い順にご紹介しますね。その7つとは
- 水槽
- フタ
- 餌
- 濾過器(水中フィルター)
- カルキ抜き
- 水草(アナカリスなど)
- エアポンプ
となります。
次にそれぞれについて、説明してきます。
1.水槽
アカハライモリを飼う上で一番重要なのが、水槽です。水槽はアカハライモリにとって家になるので、しっかりとしたものを選びたいですね。
そこで、水槽については出来るだけ細かくご紹介します。
私がおすすめしたい、アカハライモリの飼育に適した水槽の条件は、次の2つです。
- 12リットル以上の水が入るプラケース
- フタ付きの30センチ水槽
*いずれも1,000円前後で購入可能です。
60センチ水槽など、これ以上のサイズで、アカハライモリを飼育することも可能ですが、2~3匹程度なら、このくらいの容器で大丈夫です。
ちなみに、アカハライモリの飼育を考えたとき、注意して欲しい条件が3つあり、飼育に適した容器とは、おのずとその条件を満たしたものになります。
その3つの条件とは
- 脱走しない事
- 水質が安定する事
- 高温にならない事
です。
次に、それぞれについて解説していきます。
条件その1・脱走しない事
脱走すると、水棲生物のアカハライモリは、数時間で脱水症状にて死亡してしまいます。
私自身も水槽から脱走させてしまって、何匹か死なせてしまった経験があります。フタがきっちり閉まる容器を選ぶか、フタの隙間は完全に塞いでおきましょう。
手足が千切れても完全に再生することができる程、生命力の強いアカハライモリですが、もちろん、干乾びたアカハライモリを水に入れても、復活することはありません。脱走には本当にご注意を!
条件その2・水質が安定する事
次に、水質が安定することのメリットですが――これは、水質が安定しないことのデメリットを考えると、分かりやすいと思います。
具体的には、「水が臭う」「生き物が長生きしない」が代表的なデメリットになります。
水が臭うのは衛生的にも良くありませんから、アカハライモリを飼う場合には、水質を安定させることを意識してみて下さい。
条件その3・高温にならない事
高温にならない容器ですが、これは通気性の良い容器と考えて下さい。
冬は特に問題はありませんが、夏場の高水温にアカハライモリは弱い側面を持ちます。
個体差もありますが、34度を超えても平気な個体もいれば、25度くらいで食欲が落ちてガリガリに瘠せてしまう個体もいます。もちろん置き場所にも注意して下さい。直射日光の当たる場所は冬でもNGです。
フタ
次に水槽のフタですが、これは水槽にセットで付いてくる場合が多いです。
しかし、脱走防止のために絶対に必要な物なので、しっかりとしたものを用意しましょう。
アカハライモリは、まるで忍者のような動きでフタの隙間から脱走してしまう可能性があります。ですので、アカハライモリが脱走できるような隙間にないフタを用意してください。
時にはフタを持ち上げて脱走する事もあるので、重石をしたりテープで固定するなどの対策も必要です。
餌
アカハライモリの餌は、ほとんどの場合『ウーパールーパーの餌』として売られている、粒状の人工飼料で大丈夫です。
栄養価的にも人工飼料だけで終生飼育が可能です。
ただし、野外から採集してきた個体や状態を崩した個体の中には、人工飼料を食べてくれない子もいます。
そんな時には、ペットショップで売っている冷凍赤虫を購入して、常温に解凍した上で与えると、食べてくれることがあります。
ネットショップでも売っていないか調べてみたら、こんな商品を発見しました。よろしければ参考にしてみてくださいね。
冷凍★キョーリン クリーン赤虫(アカムシ) 100g 1枚 冷凍赤虫 別途クール手数料 常温商品同梱不可 |
濾過器
水を綺麗にしてくれる“濾過器”のことを、水棲生物飼育の世界ではフィルターと呼ぶことが多いです。
アカハライモリの飼育には、「水中フィルター」と呼ばれるタイプが最適だと私は思います。
外部式フィルターや外掛け式フィルター、上部フィルターでは、隙間が多くて脱走の原因になるからです。
と言われても、目で見てみないとわかりづらいかもしれませんね。具体的にはこのような感じで、水槽内に収まるタイプであれば、脱走の可能性が低くなります。
水作 タートルフィルター M 爬虫類 水中ヒーター フィルター 関東当日便 |
カルキ抜き
カルキ抜きは、水道に含まれている塩素を中和してくれるグッズです。
アカハライモリは肺呼吸をしているので、塩素の影響を受けにくいのですが、塩素で肌荒れを起こすこともあるので、水替えの時にはカルキ抜きを使ってあげて下さい。
水草
アカハライモリに適した水草は、「成長が早くて、弱い光でも育成できて、水質浄化能力が高い水草」がおススメです。
具体的には、アナカリス、ハイグロフィラ、ウォータースプライトなどが向いています。
私は水質浄化能力ではウォータースプライトの浮葉状態のものを、繁殖用にはアナカリスを使い分けています。
なお、水草は特にライトを使用しなくても、明るい室内に設置するなら自然と育ってくれます。
ウォータースプライトがネットショップでも手に入るようです。こちらは無農薬で育てられたそうで安心できますよね。
(水草)ウォータースプライト(水上葉)(無農薬)(6株) |
エアポンプ
エアポンプは、モーター式の水中フィルターを設置しているのであれば必須ではありません。
ですが、水質の安定や夏場の高水温対策には効果的ですので、設置するメリットは多いです。余談ですが、「エアリフト式の投げ込みフィルター」を使う場合には、エアポンプは必須です。
ちなみに「温度管理のヒーターやクーラーは要らないの?」と思われるかもしれません。
ですが、サンショウウオと違って、適応水温の幅が大きいアカハライモリを飼う場合、加熱用のヒーターも冷却用のクーラーも、原則として使用しなくても大丈夫です。
真夏に気温が31度を超えるような場合にだけ、冷房の入った部屋に移動させてあげると、アカハライモリにとっては優しいですね。
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アカハライモリを飼育するのに必要な物のおさらい
アカハライモリを飼育するのに必要な物を表にしてみました。是非とも参考にしてみてくださいね。
必要な物 | 費用の目安 | 備考 |
---|---|---|
プラケース | 1,000円程度 | 12リットル以上の水が入る物 |
水槽 | 1,000円程度 | フタ付きの高さ30センチ程度 |
水槽のフタ | 300円から | 水槽セットに付いていない場合 |
餌 | 300円から | 人工飼料、冷凍赤虫など |
濾過器(水中フィルター) | 1,000円から | |
カルキ抜き | 200円程度 | |
水草 | 250円程度 | |
エアポンプ | 1,000円から |
アカハライモリを長生きさせる3つのポイント
せっかくアカハライモリを飼ったなら、長く生きて欲しいと願いますよね。アカハライモリを長生きさせるために、欠かしてはいけないポイントは次の3つです。
- 脱走防止
- 水質管理(温度管理も含めて)
- 良質な餌
次に、この3つについて、ご説明しますね。
ポイント1.脱走防止
アカハライモリは、上手に水槽などをよじ登って脱走してしまいます。脱走してしまうと、水のない環境に置かれてしまい、乾燥して干物のような状態で発見される可能性大です。
そんな悲劇は見たくもありませんよね。ですので対策はしっかりとしておきましょう。
脱走できるような隙間のないフタを選び、その上で重石を置いたりテープで固定したりするのが、脱走防止のポイントとなります。
ポイント2.水質管理(温度管理も含めて)
めったなことでは病気になりませんが、水が汚れていると健康状態を崩すことが多いです。前提条件として、「水が臭う状態」で飼育しているのはNG。
水が臭う場合は、飼育頭数に比べて水量不足か、餌の与え過ぎか、フィルターの性能不足ということが考えられます。
アカハライモリは低温にとても強いので、冬場の室内で飼育する分には、特に加温は必要ありませんが、注意したいのが夏場の高水温です。
正直、個体差が大きいのですが・・・・・・30度を超えた辺りから、アカハライモリの生命に影響が出始める温度になるので注意が必要です。
ポイント3.良質な餌
アカハライモリは、動物性タンパク質であれば、ほぼ何でも食べてしまいます。しかし食べるからといって大量に与えると、お腹にガスがたまり泳げなくなり命を落とすような事態になりかねません。
具体的には、刺身や生肉を食べさせるとガスがたまりやすくなるので、与えないようにしましょう。
「ウーパールーパーの餌」として売られている粒状の専用人工飼料やビタミン強化された冷凍赤虫は栄養バランスもとれていておすすめです。
どれも基本的なことだと思われるかもしれませんが、いずれにも「見逃したら生死ににつながる落とし穴」が潜んでいます。
飼うには心構えも必要です!
アカハライモリは、小さいので意外に思われる方も多いのですが、上手に飼育すると20年くらい生きると言われています。
事実、私の知り合いの家にも10年くらい生きている子達がいます。
特に「お腹や背中の模様が他と違う個体(色彩変異個体)」はコレクション性があるのですが、最後まで責任を持って飼育することが大切なのを忘れないで下さい。
小さいけれど1つの命です。
しっかりと考えた上で、家にお迎えしましょう。
まとめ
さて、ここまでアカハライモリの飼育に必要な物について、紹介していきました。
「脱走、水質悪化、高水温」の3つにさえ気を付ければ、アカハライモリを飼うことはとても簡単です。
一説では「脳が傷付いても再生する」なんて言われる程、生命力のあるアカハライモリ。
水草を植えた水槽の中で泳いだり、歩いたりするその仕草は、とても癒されます。
また、上手に飼育すれば繁殖をさせることも可能です。
今後の記事で紹介予定ですが、色彩変異と呼ばれるような“お気に入りの模様を持った個体”を殖やすといった楽しみもあります。
ぜひ、アカハライモリ飼育のディープな世界に、あなたも足を踏み入れてみて下さい。
10年単位で飼うだけの価値が、アカハライモリにはありますから。
最後までお付き合い頂きありがとうございました!くろいあまがえるでした。
当ブログでのアカハライモリの特集!
当ブログでは、アカハライモリについて他にもご紹介しています。よろしければご覧になって頂き、参考になさってくださいね。