こんにちは、吉川 百です。
正座をする機会って、意外とたくさんありませんか?
法事やお稽古事などはもちろんですが、近所の寄り合いの席、子供の保育園・幼稚園の行事、そして座卓でパソコンの画面を睨んでいたらついつい、といった具合に。
もうちょっとだけと思って続けていると、気がつけば足はビリビリにしびれてる!なんていうことしばしば。
そもそも、正座をするとどうして足がしびれるのでしょうか?
いい大人は足がしびれたからと言って、真面目な場所や深刻な場面でジタバタとコミカルな動きを披露するわけにもいきません。
しびれた時にすぐに解消する方法や、しびれない座り方などがあったら知りたいですよね。
こんな豆知識が周りの方との会話に花を咲かせるきっかけにもなりますし、何よりとっておきのお役立ち情報です。
日本人なら知っておきたい正座のお話、ぜひ楽しみながらお読みください!
正座をするとなぜしびれるの?
正座をすると、折り曲げた膝から下の足に全ての体重がかかりますよね。
いつもはあまり圧力をかけられない状態で活動している血管や神経は急激に、しかも相当な負荷をかけられます。
繊細な血管や神経が、自分のウン十キロの体重に押しつぶされている所を想像してみてください。
明らかに無理があります。
血流はすぐに悪くなり、膝下の筋肉は単純に緊張しますよね。
血流が滞って酸素不足になった足は、麻痺し始めます。
まず悲鳴を上げるのは、膝裏に集中する総ヒ骨神経というものです。
これは通常の神経よりもずっと皮膚の近くにあるため、圧迫されやすく、すぐに助けてくれ!と訴え始めます。
そして足の甲にある末梢神経も白旗を上げ始めますから、膝下の知覚を司る神経が一斉に脳にSOSを送るというわけなんですね。
このSOSサインがしびれです。
しびれや痛みは「おいそこのあなた、あなたの体、ちょっと変ですよ」という訴え、つまり体内の赤信号。
よくできていますよね。
ですから、しびれはツラいですが、あなたの体が素直で正しく機能している証拠ともとれるのです。
ただ、体重の重い人や血行が悪い人の方がしびれやすいという説もありますので、よくしびれるから健全な体だということでもないのであしからず。
足がしびれてしまった場合の解消法
長時間正座をした後の足のしびれは、あなたも経験したことのある痛みだと思います。
足がしびれた!という時に、あなたはどうしていますか。
苦痛に顔を歪めたままぐるぐる円を描いて歩き続けるなんていう方もいますよね。
お行儀よくしていなければならない場所では、歩くことが可能ならば、その場から見えにくい所へ移動しましょう。
そして、少しの間、後ろ向きに歩いてみてください。
血行を促しやすいことから、コレが効くと言われています。
膝裏を意識すれば、つらくなって困っていた神経がほっとひと息つけるかもしれません。
ただ、なにせしびれていますから、転ばないようにどこかにつかまって行ってくださいね。
少しでも歩行に不安があれば、やめておきましょう。
ふだん正座をしない方は、ひどい場合、捻挫や骨折をしてしまうケースさえあります。
動けないほど痛いという方は、動かさずに近くの人に助けてもらってください。
そういう時は、間違っても歩行はしないようにお願いします。
もちろん前向きも後ろ向きもですよ!
正座の状態から、つま先を立たせて足の甲を浮かせ、かかとでお尻を支える格好になるのも血流と神経が緩みます。
足を直す動作くらいならできるという状態であれば、やはりマッサージは有効。
体育座り(ができる状況であれば)をして、足先を強めにつかんだり離したり、かかとをつかんだり離したり。
それから、ふくらはぎを手のひらで包むようにして、素早い上下の動きでよくマッサージしましょう。
血流を促すのが得策です。
血行よくなれ血行流れろ、と念じることを忘れずに。
足が温かくなってきたら、自ずとしびれも良くなっていることでしょう。
膝裏には大事なリンパ節や繊細な神経が集まっていますので、知識のない人が強く押したりするのは危ないです。
くれぐれもご注意を。
また、男性は口の周辺、女性は眉の上にしびれを抑えるツボがあるという説も。
ただし、正座の最中は効果がないらしいので、立ち上がったり座り直した際に押してみてください。
足がしびれない座り方ってあるの?
100パーセントしびれない正座のしかたというわけではありませんが、しびれを軽減できる座り方をお教えします!
①足を平行に置かないで座る。
両膝下をまっすぐに揃えないで、円を描くようなイメージで置き、お尻をその中に落とします。
足に体重をかける行為を避ける方法です。
足を崩しすぎると、見た目が悪くなるので慎重に。
②かかとを開き、足の親指は重ね合わせて座る。
あまり長時間はいけません。
かかとを開いたままの正座を長く続けると、O脚の原因になると言われています。
重ね合わせた親指は、時々上下を入れ替えるといいでしょう。
③膝頭を少し開いて座る。
女性の方には不向きですが、男性は堂々とできますよね。
膝頭を少し開いたうえで、かける体重を左右の足に交互に移動させてみてください。
重心を一点にかけ続けることがいけないのです。
④姿勢良く座る。
そんなことで?とお思いでしょうか。
でも、これが意外と大事なんですよ。
背筋を伸ばすと、背筋や腹筋に意識が行くため、膝下だけに体重をべったりと預ける格好にはなりません。
試してみたい正座のしかたはありましたか?
膝が悪い方などは無理をなさらず、正座用の椅子などを使用してください。
決して失礼にはあたりませんよ。
そして、正座は慣れも大切です。
入浴時に、浴槽の中で練習すると筋肉も緩んでいますし、やりやすいかもしれません。
でも、無理は禁物ですし、長い時間は危険ですから絶対にやめましょう。
日本の伝統的な文化である正座
正座といえば、いにしえからの日本人独自の座り方文化、と思いきや、歴史は意外と浅いんだそうです。
有力なのは、江戸時代初期以降に日本人は正座をし始めたという説らしいですよ。
それまではみんなあぐらや横すわり、立て膝などという、今ではあまりお行儀がよろしくない、と言われてしまいそうな座り方をしていたという話も。
確かに、戦国武将が正座をしてしびれていたら、敵軍が攻め入ってきても仕事になりませんよね。
でも幸い、今は戦国の世ではありません。
時には着物を着てお出かけやお稽古事もおしゃれです。
そんな時にはやはり正座は避けて通れません。
背筋がしゃんと伸び、良いリフレッシュになりそうではないですか?
正座のコツをつかんで、日本人としてのたしなみや伝統文化を楽しみましょう。
外国の方は正座に興味がある方が多いようですから、いろいろ教えてあげて文化交流の場を持つというのも素敵ですよね。
最後までお読み頂き、ありがたく思います、吉川 百でした。