こんにちは、吉川 百です。
花びらのようなトマトスライスが並んだお皿ををテーブルに運んで歓声を浴びようと思っていたのに、包丁が切れなくてトマトがぐにゃぐにゃに・・・。
あなたはそんな失敗をすることがありませんか?
やろうやろうと思ってはいてもしないままになっていることランキングではきっと上位に入りそうな、包丁を研ぐという作業。
一見難しそうですが、実は慣れてしまえば10分とかからずでできてしまうのです。
初めての方が砥石を選ぶ時のコツから、砥石以外のツールによる包丁の研ぎ方・日常のお手入れ方法まで、今回は包丁の簡単メンテナンス講座!
僭越ながらお料理歴20年を越えた私が、今さら人に聞けないというあなたにご紹介します。
これを読めば目からウロコ、なんだ簡単にできそう!と思っていただけるはずです。
■目次(クリックすると飛びます)
包丁を10分で研ぐ簡単な方法
砥石を使って包丁を研ぐなんて、板前さんかよほどの料理上級者だけ。
あなたは、そんなふうに思っていませんか?
新品の時はあんなに切れ味バツグンだった包丁が、いつのまにか渾身の力を込めなければ食材を切れなくなっているということ、ありますよね。
無駄に力を加えることで怪我をする危険も高まりますし、切れない包丁でお料理するのが億劫だと思うあまり、ごはんの支度そのものがいやになるなど、包丁の手入れを怠ることで、意外な弊害も。
どうぞ今日か明日、遅くとも今週中にホームセンターへ出かけて砥石を手に入れてみてください。
包丁研ぎは、回数をこなせばどんどんコツがつかめて上手になりますし、そもそも難しいことではないのです。
まず、基本の手順をご紹介しますので、イメージトレーニングしてみてくださいね。
ちなみに、右利きの方用の手順となっています。
□砥石の選び方
砥石のパッケージにはたいてい、粒度(りゅうど)と呼ばれる、砥石のあらさを示す数値が表示されています。
荒砥石・中砥石・仕上げ砥石などがありますが、ご家庭用包丁の切れ味回復用なら、中砥石(粒度800~2000)で十分。
間違えて荒砥石で研いだりしたら、包丁が大きく磨り減ってしまいます。
荒砥石は欠けた包丁を修復するために使うような石ですので、ちょっと切れ味が物足りないという程度の包丁には使わないようにしてくださいね。
ただし、これは鋼(はがね)包丁かステンレス包丁には使用できますが、セラミック包丁には使えませんので、お気をつけください!
セラミック包丁は、サンドペーパーなどで研ぎましょう。
□初めてでも簡単!砥石を使った本格包丁研ぎ講座
*砥石は吸水性のものの場合、研ぐ20分ほど前から(石から気泡が出なくなるまで)、水に浸しておきましょう。
②砥石に対して包丁を45度の角度であてます。
包丁を研ぐというと、砥石の短い辺に対して平行のイメージかもしれませんが、斜めに構えるのです。
体は半身にならずまっすぐ、あくまで斜めなのは包丁だけ。
包丁を握っている右腕の肘が少し後退している、という感じの姿勢になります。
③左手の人差し指と中指は刃の研ごうとしているあたりに軽く添えます。
あくまでそっと、軽く添えてください。
力を入れないように気をつけましょうね。
④包丁の刃をべったりと砥石につけないで、小指1本分・15度ほど浮かせて角度をつけます。
⑤「向き45度プラス15度浮かせ」の姿勢と、刃に添えた左手人差し指と中指をキープしたまま、包丁を前後に動かします(あくまで力を込めないように)。
⑥刃の全体がざらざらしてきたら、反対側の刃も同様に研ぎます。
⑦最後に「ざらざら」を新聞紙にこすりつけて終了。
乾いた新聞紙がすぱっと切れたら合格ですよ。
使い終えた砥石は、よく水洗いをしてください。
その後、頻繁に使う方は水に浸けておいてもいいかもしれませんが、時々しか研がないようなら、いったん乾かします。
劣化につながりますから太陽光にはあてないで日陰で乾かし、乾いてから新聞紙に包んでしまっておきましょう。
□もっと簡単!シャープナーを使って包丁を研ごう
ホームセンターやキッチン用品店で手に入る包丁用シャープナー。
砥石よりもさらに手軽に包丁の切れ味を回復させることができます。
○包丁研ぎ棒
これは棒状になったヤスリのような研ぎ器です。
刃に対する研ぎ棒の角度を常に一定に保ちながら、刃先全体を均等に研ぎます。
包丁についた脂をとるだけ用もあるのでお間違えなく。
○簡易研ぎ器
砥石を交差させてできたV字の溝に刃を差し込んで引き抜くと、包丁の切れ味が戻っているというすぐれもの。
いろんなメーカーからいろんなタイプが出ています。
ただし、この簡易研ぎ器は、補助的かつ一時的なメンテナンスにしかなりませんので、長い効果は期待できません。
○電動簡易研ぎ器
簡易研ぎ器の電動版。
電動である分、早くて効率よく研げます。
ただ、こちらも効果はあまり長持ちしませんので、頻繁に使用することになるかもしれませんね。
包丁を手入れする方法とは?
お料理が済んで、さあみんなで食事。
その時あなたは、調理を終えた包丁とまな板をどうしてありますか?
まさか調理台の上で、野菜を切った時のまま置きっ放しにしていませんよね?
それとも、シンクの中で水に浸かっているなんていうことは?
お料理が済んだと同時に調理に使った道具などの食器洗いはすべて終わっているのが理想などとよく言いますが、実際はたいへんですよね。
しかーし!お願いですから、包丁とまな板だけは、洗っておいてください。
まな板は衛生的な問題ですが、包丁については、食品に含まれる水分や塩分が空気に触れて酸化し、包丁を錆びさせてしまうのだとか。
私も妊娠中つわりがひどい時に、1度だけ長時間調理台に放置してしまったことがあります。
その時にできた小さな錆が、今も私の愛用ステンレス包丁にしっかりと残っているんですよ。
そして、シンクのたらいなどの中に浸けておくのは、危険が大きいのでやめましょう。
包丁は食材などが付着していることがないよう、まな板の上など危なくない場所で指で固定させながら、中性洗剤を含ませたスポンジでしっかり洗いましょう。
除菌のつもりで漂白剤を使うのは避けた方が良いでしょう。
塩素の影響で錆びやすくなってしまいます。
包丁差しや引き出しにそのまましまわず、新聞紙に包んでおきましょう。
適度な通気性を保ちながら、新聞にたっぷり含まれたインクの油が錆止め効果を発揮します。
包丁を研ぐサインを見逃すな!
それでは、包丁がどんな状態になったら、研げば良いのでしょうか。
切れ味を試すのに向いている食材は、いくつかあります。
まずはネギです。
薬味ネギか青ネギが良いでしょう。
小気味よくトントントントンと小口切りにして、ぱらぱらに細かく分かれて切れていれば大丈夫ですが、切り離されていなかった底の部分が連なっていたら赤信号です。
ネギがない時は、やはりトマトです。
あまり力を加えないですうっと皮から切れ、美しいトマトスライスができれば合格、刃が皮に入っていかなければ即研ぎます。
そして、私の場合、鶏肉の皮も良い目安となります。
小さな子どものいるわが家では、やたらとからあげを作る機会がありますので、鶏の皮が切れなくていらいらするようになったら研ぐことになります。
他にも、キャベツの千切りで試す人もいるでしょうし、りんごの皮むきで試してもわかりやすいかもしれませんね。
まとめ
道具が使いやすいと、行動をする気が起こる。
これは家事に限ったことではないかもしれませんが、家事については特にそう言えるのではないでしょうか。
卵焼き用フライパンの柄の部分が壊れたとたん卵焼きを作るのがいやになるように(今現在の私)、切れない包丁がキッチンで待ち構えていると思うと、キッチンばさみで済む献立ばかり考えてしまったりして・・・。
安い包丁をどんどん消費していく人もいますが、安い包丁でも研げば切れ味は回復します。
砥石の場合、コツはやはりあまり力を入れすぎないことだと思います。
砥石に向かって包丁を構えたら、強く押し付けずに軽やかに滑らせるような感覚で前後させると無駄な刃の減りを防げますよ。
道具を大切にする人は行動を大切にする人。
行動を大切にできる人は生活を充実させられる人、なのかもしれません。
最後までお読み頂き、ありがたく思います、吉川 百でした。