こんにちは、吉川 百です。
あなたの猫ちゃん、ちゃんと歯磨きしてますか?
猫はもともと肉食動物、歯の形は大きなギザギザの合間に細かな歯が並ぶといったつくりで、とがったように生えている大きな犬歯は上下で噛み合わず、はさみの刃の要領で獲物をとらえる構造になっています。
かつてはこの構造のおかげで、自然に歯が磨かれていたといいます。
どのような構造になっているかわかりやすい動画がありましたので、まずは見て頂いて歯磨きを成功できるようなイメージを持ってくださいね。
現代の飼い猫たちは、缶詰・パウチパックに入ったウエットフード・食べやすいサイズや質感のドライフードを召し上がる子が多いですよね。
そしてそのことにより、猫としてあるべき歯の使い方をする機会が激減し、歯垢がたまりやすくなり、歯垢はやがて歯石となって取れなくなってしまい、最後には歯周病が引き起こされるのです。
どこかで聞いたことのあるこの負の流れ、まさしく飼い主であるあなたが抱えている歯周病の可能性と同じなのです。
歯周病の症状は、歯だけの不具合に留まりません。
あなたの大切な猫ちゃんを、歯周病に始まる不健康のループから守るために、ぜひ今回の記事をお読みください。
自宅で猫ちゃんと暮らすのはただ今小休止ですが、つい最近、実家の猫が野良猫にボコボコにされて、母と猫の話ばかりしているこの私が、猫ちゃんの歯周病を防ぐ歯磨きのしかたを伝授致します。
引っかかれるのが怖いと諦めないでください。
あなたが磨かなくて誰が磨いてあげるのですか?
とにかく、お役に立ちますので、最後までお読みいただけたらうれしいです。
■目次(クリックすると飛びます)
猫の歯磨きを成功させるコツ
用意するものは、基本的には歯ブラシとあなたの猫ちゃんへの愛情だけです。
歯ブラシについては、猫用のものか、人間の乳児用、大人向けならば部分磨き用の、ヘッドの小さなものを使用しましょう。
ブラシはやわらかめにしてあげてください。
歯磨きペーストや、デンタルケア効果のあるおやつも、愛猫が好きそうなものがあればご準備を(歯ブラシと愛情だけ、と言ったばかりですが・・・)。
それでは歯磨きしましょう。
①かつおぶしかめざしかお気に入りのキャットフードか、まずはあなたの猫ちゃんの大好物のにおいを、あなたの指にこすりつけましょう。
②猫ちゃんがそばに寄ってきたり膝に乗ってきたりしたら、すかさずマッサージ、いつものように背中や頭を撫でてあげます。
③顔まわりももふもふとマッサージ、頬を優しく撫でながら、口の辺りもしきりに触り、どさくさにまぎれて口の中に手を入れます(猫はもう、あなたの指についたにおいに夢中です)。
上記の①~③までを、指ににおいがなくてもさせてくれるように何度かくり返してみましょう。
「焦らず徐々に」を心がけて、ある程度日数をかけても良いですから1回の時間は短めに、あなたが手を口もとにやるのを猫ちゃんが嫌がらなくなるのを待ちます。
④口元マッサージと口の中への指入れ遊びが習慣になったら、ごく微量の好きな食べ物か、好きそうな味の歯磨きペーストをつけた歯ブラシを、ブラシに近いところで持って指も同時に口元に触れながら、少し歯に添えてみましょう(歯ブラシは水に濡らしてから食べ物やペーストをつけてください、歯茎が傷む恐れアリです)。
④をやってみて、あれ?さして嫌がらないなあと思えば、そのままブラッシングを試みましょう。
嫌がるようなら、①から④までをまた何度か試します。
あくまで遊びのような雰囲気で、猫が嫌がったり飽きる前にやめてください。
笑顔で楽しそうにやり続ければ、猫ちゃんはこのイベントを楽しみにするようになってくれるはずです。
歯ブラシを口の中に入れるのが平気になったら、だんだんとしっかり磨きを時間は少なめに始めていきます。
歯に対して45度くらいの角度をつけて歯ブラシをあてましょう(歯周ポケットにブラシ先があたるイメージです)。
あくまで優しく小刻みに左右のブラッシング、大きな動きでは歯垢はとれません。
いちばん汚れているのは上の両奥歯です。
唾液分泌線が近くにあるので、唾液中のカルシウムやリンが歯垢にくっついて歯石化しやすいですから、特に念入りに。
上手に磨かせてくれたら、最後にご褒美のデンタルケア効果のあるおやつなどをあげましょう。
なかなか歯ブラシになじめない子に対しては、はじめのうちだけ綿棒で磨くのも手です。
磨き方は歯ブラシと同様です。
歯磨き頻度は毎日が理想ですが、歯垢が石灰化して歯石になるまでに1週間といわれますので、最低でも週に1度は歯磨きしてあげましょうね。
それから、あまり時間をかけないように、手早く終わらせて楽しい雰囲気のまま終わるのがベスト。
無理強いや大声で叱るのは絶対にやめてください。
歯磨きを嫌いになるのはいうまでもなく、猫ちゃんのあなたに対する信頼も、歯周病に冒された歯のようにぐらぐらと揺らぐかもしれません。
獣医さんが歯磨きを嫌がる猫に対して、素早く歯磨きを済ませている動画をご紹介します。
ここまでになるのは簡単な事ではありませんが、この動画のように歯磨きが出来るように頑張っていきましょう!
猫の歯周病の見抜き方
うちの猫の歯が大丈夫かどうか知りたいというあなた。
どうか今すぐにあなたの猫ちゃんを呼び出し、いつものように頭を撫でてあげながら、そっとお顔に近づいてみてください。
そしてにゃーと言ってみましょう。
お相手もいつものようににゃーと返してくれるでしょう。
その時に、口臭があるかどうか確認しましょう。
ひどい口臭があれば、歯周病の疑いは強いです。
歯周病は、素人では見た目にわかりにくいですし、歯垢が歯石化している状態も、なかなか見抜くことができません。
というよりも、じっくりと観察させてくれないのです。
猫の歯周病の治療
歯垢はただの食べカスであるとお思いですか?
それはもはや、細菌の塊だといいます。
悪化すると歯の周囲の歯茎が炎症を起こし、ひどくなると、歯を支えているアゴの骨がとけてしまうこともあるそうです。
そうなると、猫は痛みとアゴの不調でごはんを食べたくなくなります。
痩せていき、衰弱したり、内臓疾患にかかります。
細菌が歯周から血流に入り込み、腎臓や心臓の病気を引き起こすこともあるというから驚きですよね。
歯磨きを怠っていたあなたが猫ちゃんの口臭を確認したら、あなたの猫ちゃんは歯周病にかかっている可能性が高まります。
動物病院を受診してみましょう。
ごはんが食べられなくなってからでは遅いのです。
わりとすぐに衰弱してしまいます。
病院では、場合によっては麻酔をかけて石灰化した歯石を取り除いてくれたり入念に歯磨きをしてくれます。
麻酔をかけるのは、猫ちゃんの心身に余計なストレスをかけないため。
麻酔を打たれて眠っているのは、ちょっとかわいそうな姿ですが、今後も猫ちゃんとの蜜月を過ごすために我慢しましょう。
まとめ
5年ほど前に亡くなったうちの猫は、亡くなる数ヶ月前から食欲ががたっとなくなりました。
年をとっていたので老衰なのかもしれないと家族で言い合っていましたが、今思うと歯周病もあったかもしれません。
シニア用のキャットフードに変えてしばらくしてから具合が悪くなったので、フードとの相性も良くなかったかもしれないのですが、歯磨きをする習慣はありませんでした。
猫の歯は自然に磨かれていると、私も家族も信じていたのです。
穏やかに天寿をまっとうした子ですが、歯磨きをしていれば、もう少し長く一緒にいられたかもしれません。
私が子供を産んだばかりで猫にかまってあげられない間にどんどん弱らせてしまったことが、今も心残りです。
歯磨きは遊びから始めると、わりとあっさり応じてくれるようになります。
どうせ嫌がるだろうな、と思っていると実際に敬遠されたりしますので、絶対遊んでくれるはずだにゃ!と思いながら誘ってください。
すべての猫ちゃんの幸福を願って。
最後までお読み頂き、ありがたく思います、吉川 百でした。