室内に植物があると、気分的に癒やされますよね。観葉植物も部屋をモダンに明るくしますが、盆栽も素敵です。
盆栽は引退後の高齢者の趣味というイメージを持っていませんか?いいえ、実態は違います。最近は癒しを求めてミニ盆栽を購入する人が増えており、若い方から外国人まで広い層に指示されています。
私の祖父が盆栽好きで、沢山の盆栽を所有していたので、30年以上に渡り盆栽にふれてきました。
この記事でミニ盆栽に関する正しい知識と体験談をご紹介しますね。
そして、ミニ盆栽はどこまで室内で育てるのが可能なのかも考えていきたいと思います。
■目次(クリックすると飛びます)
ミニ盆栽を室内で育てる場合の4つのポイント
ミニ盆栽を室内で育てる場合のポイントとして
- ミニ盆栽を知る
- 育てるのに適した環境
- お手入れ
- 道具
の4つをあげたいと思います。
それでは、以下にポイントを詳しく解説しますね。
1.ミニ盆栽を知る
先ずはミニ盆栽を知る事から始めましょう。
盆栽の『盆』は陶磁器の鉢を意味し、『栽』は樹木を植えるという意味です。つまり、盆栽は樹木を盆栽鉢に植えて自然の風景を模して造形し鑑賞します。
樹木の枝ぶりや綺麗さのみを注目するのではなく、鉢との相性も重視されます。植える樹木の種類は沢山ある上、サイズも指の上に乗るような豆サイズから機材を使わないと持ち上がらない程の大型サイズまであります。
盆栽のサイズを豆盆栽、ミニ盆栽、小品盆栽、盆栽、大型盆栽と表現します。ミニ盆栽のサイズは厳密には決められていませんが、一般的に樹木の高さが数cmから10cm程度の盆栽をミニ盆栽と呼びます。
2.ミニ盆栽を育てるのに適した環境とは
ミニ盆栽に限らず、盆栽に共通した好ましい環境は、
- 日当たり
- 湿度
- 温度
- 風通し
です。
盆栽を育てるために最も好ましい環境は自然の環境下です。盆栽は樹木を鉢に植えているものの、屋外で生きている樹木と同じです。
ですから、一番好ましい環境は室内ではなく屋外です。出来れば鑑賞する際には室内で一定時間鑑賞をし、その後の多くの時間は屋外の日当たりが良く、風通しが良い場所に棚を作る等をして設置して頂く事をお勧めします。
冷暖房等で急減な温度差や湿度変化が有る室内に置き続けると、盆栽は弱ってしまい、最後には枯れてしまいます。樹木は夏の暑さや冬の寒さに自然に順応し、四季を感じながら成長します。
反面、エアコン等の急激な温度差や湿度の変化、それに太陽光が少なく風通しの悪い環境下では育たないか病気になる可能性が高まります。
室内が絶対にダメということではありません。室内に長く置き続ける場合には、エアコンなどの風が直接当たらない上、急激な温度差が無い環境、湿度が奪われない場所、そして日当たりと風通しが良い場所を選んでください。
室内に置く場合でも昼間お仕事に行く間はベランダで育てる等工夫が大切です。
3.ミニ盆栽のお手入れ方法
お手入れの基本は、
- 水やり
- 肥料
- 植え替え
です。
水やり
水やりに関しては、土の表面が乾いたらたっぷりと水を上げると聞きますが、私は違う方法をとっています。
祖父から教えられた方法ですが、祖父は季節に応じてあげる回数を決めていました。理由は、盆栽の土には苔や化粧砂が敷き詰められているものが多いので、土の中の水分状態を見極めるのは困難だからです。だから、決められた回数を確りと水やりをして乾燥を防いでいました。
気を付けないといけないのは、水はけの良い状態を作る事です。理由は、水はけが悪い状態の盆栽に対して決められた回数を水やりする上でだと根腐れを起こすためです。
夏は1日2~3回、春秋は1日1回、冬は2日~3日に1回を目安に水やりをしていました。1回の水やりの量はタップリで、鉢底から水が流れ出る程度です。
室内で水やりをする場合は、水で室内を汚さないように受け皿を鉢にセットする事を忘れないでください。
肥料
肥料は盆栽に必要な栄養素の内、チッ素、カリウム、リンの主に3つの栄養素を補うために与えます。栄養が足りないと葉や花の変色や、花の咲きが悪くなります。
特にミニ盆栽は小さな鉢を使うことから、水やりで栄養が流出してしまいがちです。肥料を定期的に与える事は欠かせません。肥料をあげる時期は、基本的には冬の休眠期を避けますので5月~11月を目安にすると良いでしょう。
植え替え
植え替えは、樹木が成長し根が密集してしまったり盆栽用の土が砕けて固くなってしまったりしますので、定期的に植え替える必要があります。植え替えをしないと、水はけが悪いばかりか、根が栄養や水分を吸収できない状態に陥ります。
植え替えの目安は2年に1度程度を目安にしますが、水はけが悪いのを日々の水やりで見つける事も忘れずに。植え替え時期は一般的には春か秋です。夏は植え替えによるストレスが強くなるので避けてください。
4.盆栽のお手入れツールをご紹介します
先ずは、日々のお手入れに欠かせない3点セットです。水やり用のジョウロ、水はけが悪い際に使う串(竹串やプラスチック等細長にもの)、剪定用の剪定バサミです。
また、屋外に置く際には棚を作ることをお勧めします。理由は、風通しです。
前述した通り、盆栽に共通した好ましい環境で風通しは欠かせません。室内でも対応できない訳ではありませんが、やはり屋外に出せるに越したことはありません。
盆栽は通常地面に直接置くのではなく一定の高さのある棚(スノコの様に下からも風が入り、水が地面に流れ落ちる)で日光や風に当てることがベストです。
マンション等にお住まいであれば、ベランダを活用して日当たりが良く、風通しが良い環境に棚を作ってください。西日が当たり続けるような場所であれば、日除けシートで強い西日を弱める工夫も必要です。
植え替え時のお手入れツールですが、
- 鉢底ネット
- 針金
- ペンチ
- 剪定バサミ
- 盆栽用の土
が主に必要となります。
針金は鉢底ネットを鉢に固定する際や、樹木がグラつかないように鉢と樹木を固定するために使います。ペンチはアルミ線の切断等に用います。剪定バサミは不要な根を切断し、樹木の枝葉を剪定するために使います。
ペンチやハサミは盆栽専用も売っていますが、専用品でなくても自宅にある物でも代用は出来ます。ただ、慣れてきて愛着が沸くと、MY剪定バサミがどうしても欲しくなります。その気持ちが出てきたら貴方も盆栽に魅了されたと自覚できるでしょう!
初めてのMY剪定バサミを持つのであれば、こんな感じのお手軽な価格帯のハサミが良いでしょう。
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室内で育てるミニ盆栽向きの5つの植物は?
私が室内で育てるミニ盆栽向きだと思う5つの植物は
- モミジ
- 楓(かえで)
- 桜
- 藤
- 果物系(りんご、ザクロ、キンズ)
です。
一番のオススメはモミジ
モミジは私の一番のおススメです。
ミニ盆栽でもしっかりと外気に当てて温度差や季節の変化を樹に感じさせてあげれば紅葉します。
ただ、新緑が出そろったころに不揃いの葉を全て刈り取って、小枝や新芽を増やします。この作業をすることで新芽が一気に出て、葉の大きさも揃い紅葉すると美しさが増します。
ネット通販を調べてみましたが、意外にお手頃な値段で良いモミジが買えるようです。
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色々な楽しみ方の出来る楓
楓(かえで)は色々な楽しみ方が出来るのでおススメです。
例えば、1本の幹を太く育てるのも良し、複数本の楓を1つの鉢に植えて自然美を楽しむのも良いいです。モミジ同様に葉の彩の変化が楽しめます。
日本を代表する樹木の桜や藤
桜や藤は言わずとしれた日本を代表する樹木です。
花が咲くと室内で美しい桜や藤を鑑賞しながら小宇宙を感じる事間違いなしです。
柑橘系がオススメな果物系
『果物系』は特に柑橘系をお勧めします。私は自宅で食べたミニリンゴやザクロの種から盆栽をつくりました。小さな実がなって可愛らしいです。
キンズもおススメです。黄色い小さな実をつけます。ただ、キンズはみかんの仲間ですが、種が多く食べる事は出来ないので鑑賞用としてお楽しみください。
こちらは盆栽なのに、20から30の実がなるというリンゴの盆栽です。とっても可愛らしい実がつくのが楽しみですね!
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まとめ
いかがでしたか?
盆栽のことを『鉢の中の小宇宙』と称する方もいます。見ているだけでとても癒されます。
ミニ盆栽を室内で育てられるかについて考えてきましたが、風通しや日当たりといった事は室内では限界があるので、やはり屋外との併用がベストと言えます。
ミニ盆栽を室内で育てる最大のポイントは、屋外を上手に使う事と言えるでしょう。
手の上にのるサイズのミニ盆栽は場所も取らず、お手頃な値段で購入することが出来ます。育て方も、今回ご紹介した内容を理解して頂ければ大丈夫。
余り恐れずに先ずは通販でお気に入りの1つを購入して試してみてはいかがでしょうか?