こんにちは、吉川 百です。
災害大国に生きているという自覚はあっても、近頃の自然災害の多さには驚かされますよね。
気候は温暖で住みやすい日本ですが、ここのところは毎年のように台風・豪雨被害や巨大地震が連続して起きています。
被災され、今現在も不自由な生活を強いられている方々へ心からお見舞いの気持ちを抱くと同時に、明日は我が身と襟を正す必要がありそうです。
近年ですと東日本大震災・熊本大震災や九州を中心に増えている豪雨災害から頂いた教訓を、しっかりと活かさなければなりませんね。
特に避難弱者とでもいうべき赤ちゃんや病人・高齢者に対しての備えは、物心ともに日頃から万全にしておきたいものです。
今回は赤ちゃんとの避難に焦点を当て、災害に対応するための準備についてご紹介していきます。
赤ちゃんを連れて避難する場合特有の注意点や心構えもお伝えしますので、ぜひ参考になさってくださいね。
赤ちゃんを災害から守るために準備すべきグッズ
突然災害に襲われ、大切な赤ちゃんを抱いて逃げる。
そんなふうに想像した時、あなたはそれだけで精一杯な気がするかもしれませんね。
一番大事なのはもちろん命ですが、災害は避難した後の過酷さもまた重要視しなければなりません。
何の備えもされていないという方は、これを機にぜひとも準備をしてみてください。
普段から赤ちゃんの生活は大人のものとはまるで異なりますが、それは災害時にも同じです。
衣食住に分けて、赤ちゃんにとって必要な準備品をご紹介します。
☆赤ちゃんを災害から守る準備グッズ・衣
赤ちゃんにとって最も必要なのは2種類の衣です。
①肌着
少し前までは、災害避難時用に準備しておく日用品は3日分が妥当だという説がまことしやかに伝えられてきました。
しかし、最近の常軌を逸した大災害では、道路寸断によって支援物資の到着が遅れたり、ライフラインの復旧がままならず、避難生活がより困難により長くなりがちな現状もあります。
赤ちゃんは寒い季節でも汗をかきます。
汗をかいたままの衣類を着せておくことで体が冷えますし、抵抗力の弱い赤ちゃんにとって衛生状態をできる限り良く保つことは大切です。
肌着は、月齢の小さかった頃の、もう着なくなったものでも構わないので、5日分程度は準備しておきましょう。
今現在使用していないものの方が、まとめておくにしても都合が良いです。
あまりにサイズが違うものは難しいですが、少し小さくなって使っていないという程度なら、その肌着をママの腕などに通してちょっと伸ばしておく、という小技も使えます。
肌着は柔らかくできていますから、着古していればすでに伸びているかもしれませんが。
新生児のいるご家庭では、日頃も肌着が沢山いるでしょう。
無理に防災用に回して普段着が不足してもいけませんから、リサイクルショップなどで災害準備用に安く購入しておくのも良いかもしれません。
そして、衣類はかさばりますので、主に掃除機で吸うタイプの圧縮袋にまとめておくと荷物が減りますよ。
②オムツ
オムツはあればあるだけ良いと思いますが、例えば「5日分で40枚くらいかしらと」考えるよりも、オススメなのは未開封の1パックをそのまま備えておくというものです。
衛生的にもその方が良いですし、一度開封して別梱しようとすると、オムツはかさばって大変ですよね。
結論から言いますと、よほどもうすぐオムツが外れそうな赤ちゃんでなければ、常にオムツは3パックほど自宅に備蓄しておくのをオススメします。
ひとつは普段使いで開けて使っていく用、あとひとつは避難用に他の荷物と合わせて保管、もうひとつは車の荷台か家の外の物置などに常備しておくというやり方です。
避難所から家へ取りに戻れたとしても、住宅の状況によっては入れないかもしれませんから、屋外にひとつオムツの保険があると安心ではありませんか?
避難用のものは、肩からかけられるように紐で加工しておくなど、赤ちゃんを抱いていても持てるようにするといいかもしれませんね。
オムツは1サイズ上を準備しておきましょう。
経験的に、1サイズ上を使って困ったことはありません。
☆赤ちゃんを災害から守る準備グッズ・食
①水
食については離乳食期に入っている赤ちゃんかまだ母乳・ミルク期かで準備が異なります。
しかしながら、例外なく必要なのは水です。
重たくて持てなくてもいけませんので、携帯するには2リットル1本程度は最低ですが、家自体にはいつも6リットル以上は備蓄しておきましょう。
赤ちゃんのミルクを作るのにミネラル過多の硬水は不適切ですので、日本の軟水をオススメします。
②母乳・ミルク期の赤ちゃんの食/キューブタイプミルクと紙コップ
完全母乳で育てていても、災害避難時の過酷な環境下で普段どおりに授乳できなくなるケースは、色々な意味でとても多いようです。
いつもはミルクを嫌がる母乳派の赤ちゃんも、お腹が空けばミルクを飲んでくれるかもしれませんから、これもやはり5日分ほど準備しておきましょう。
粉末は避難所などでは計量も手間で不衛生になりがちなので、オススメできません。
キューブ状で袋も小分けになっているタイプを災害準備用荷物に入れておきましょう。
哺乳瓶は消毒できないのでやめて、未開封の紙コップを1パック準備しておきます。
災害時にはおなじみの方法になっているようですが、口が柔かいため傾斜をゆるくしてあげれば、赤ちゃんでも飲むことができるということです。
ただ、ふだんミルクを飲まない赤ちゃんは、通常のミルクが体に合うかどうか調べておいた方が良いかもしれません。
③離乳食期の赤ちゃんの食/最小限の離乳食パックとお菓子
重たい離乳食を非常用荷物の中にたくさん押し込めるのは現実的とはいえません。
3日分くらいはパックの離乳食を準備しても良いかもしれませんが、あとは大人の食べるものをふやかしてあげれば良いでしょう。
それよりも、いつも食べているお菓子などを余分に買って備えておいてください。
精神的にも安心できますし、避難所で食欲がなくてもお菓子なら食べられるかもしれません。
☆赤ちゃんを災害から守る準備グッズ・住
①防寒とプライバシー保護対策/新聞紙・大判バスタオル・黒いゴミ袋・ジッパーつきナイロン袋・カイロ
マルチに活躍する新聞紙・バスタオル・黒ゴミ袋の3点セットは、下に敷いたり体にかけたり、目張りにできます。
ジッパーつきナイロン袋は使用済みオムツを密閉するためや、調理などに使えて万能ですからちょっと多めに。
カイロは防寒だけでなく、食料を少し温めるためにも使えますよね。
かさばりますが、適量備えておきましょう。
②医療対策/救急セット・保険証コピー・母子手帳必要箇所コピー
救急セットはいつも使っている薬があればその薬と消毒薬や絆創膏など最小限で良いでしょう。
保険証は何らかの手当てを受ける時のためですが、いつも避難用にセットしておけませんから、コピーをとっておきましょう。
母子手帳はアレルギーや病歴の有無、予防接種履歴ページなど、必要ページのコピーを。
赤ちゃんを災害から守るために必要な注意点とは
○移動手段
赤ちゃんを抱いて逃げる時に、両手が空いているといないでだいぶ違います。
災害準備用にわざわざ新調する必要はありませんが、抱っこ紐はいつもわかる場所に置いておく習慣をつけておき、避難する際にはできるだけ携帯しましょう。
おんぶ紐を使い慣れているあなたは、もちろんおんぶ紐でも。
抱っこもおんぶも、どちらもある程度の危険性を伴いますが、荷物を持ったうえに支えもなく赤ちゃんを抱いて移動するよりはずっと安心です。
そして、もしも車で逃げられる状況でなければ、ベビーカーは置いていきましょう。
災害によっては道路状況も不安ですし、持っていった先で邪魔になってもいけませんよね。
○母乳問題
先ほどの食の準備品でも触れましたが、母乳が出なかったりあげられない環境になってしまっても、ママ自身があまり神経質になる必要はありません。
ママ本人が積極的に水分を摂取するくらいの努力はできますが、こんな状況なのだからちょっと出れば合格というくらいに構えましょう。
仮に食料が不十分でも、短い期間なら水分だけでも母乳はある程度出るようです。
同様に、短い間なら砂糖水などでミルクの代用をすることもできるといいます。
ストレスや不安で出なくなってしまうのは、当然といっても過言ではありません。
たとえ母乳をあげられなくても、どうかママは自分を責めないでください。
ママがそばにいるだけで、赤ちゃんは安心なのです。
○赤ちゃんのストレス問題
非常時のストレスは赤ちゃんも感じるものです。
ふだん穏やかな子も、急に夜泣きをするようになる場合があるといいます。
そして、そのことがママやパパのストレスに輪をかけてしまいますよね。
日中はなるべく赤ちゃんを外に連れ出し、ある程度疲れさせてあげることが必要です。
そしていつもどおりのスキンシップを欠かさないこと。
大人よりもずっと子どもの方が環境適応能力が高いわけですから、心配しすぎないようにしてください。
赤ちゃんを災害から守るために必要な心構えとは?
日頃からもしもの災害時に備えるためには、グッズとともに心構えも大切な要素です。
気をつけておきたい点をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
①家の中の安全対策
!家具の転倒に注意!
あなたも聞いたことがあるかもしれませんが、特に地震災害の時に、建物の中で負傷したり亡くなったりする理由の多くが家具などの下敷きになったというものです。
家具の転倒を防ぐには、壁に固定するのが最も有効ですが、現実問題として賃貸住宅にお住まいですと不可能ですよね。
持ち家の方も、壁の石膏ボードにしっかり固定するというのは難しいかもしれません。
そんな中で効果が大きいとされるのが、家具の下に敷くマットタイプの固定器具と、天井と家具の間をつっぱるいわゆる突っ張り棒タイプの器具を合わせて使う方法です。
寝室には衣類収納など大型家具がありがちですが、できれば寝室は家具を少なめにしましょう。
!ガラスなどの飛散に注意!
災害時、割れたガラスを踏んで負傷したり、頭部に刺さって重傷など、ガラスによる被害もたいへん多いものです。
ホームセンターやインターネットで簡単に入手できるガラス飛散防止フィルムを貼っておくと良いでしょう。
それから、特に寝室にはスリッパを用意しておいてください。
逃げ口までの動線の、どこで何が割れているかわかりませんからね。
!避難場所と連絡先を確認!
赤ちゃんのいる家庭では、災害時にママと赤ちゃんが二人きりという状況も十分にありえます。
家族間で避難場所の確認と、ご主人の勤め先の非常時の対応についても確かめておくと良いでしょう。
災害用伝言ダイヤル(171)は固定電話対応です。
携帯電話の災害用伝言板も活用できるようにしておきましょう。
!ハザードマップを頭に入れておく!
あなたが暮らす地域で懸念される災害の種類に応じて、まずどこへ逃げれば良いのか理解しておくことが大事です。
水害の不安が強い地域ではいちばん近い高台の避難場所を確保しなくてはなりません。
各自治体でハザードマップが用意されていますから、ふだんから目を通しておきましょうね。
!停電時に備える!
暗い時間帯に災害が起きると、多くの場合停電して困ってしまいます。
どんなに完璧に荷物を用意していても、見えなくては用をなしません。
明かりがあるというだけで、人間の不安心理はだいぶ軽減できるものです。
懐中電灯の寝室・リビング常備は言わずもがなですが、停電時に自動点灯する非常灯を備えておくと安心ですね。
まとめ
赤ちゃんを守れるのは私だけ。
そう思えば、災害時用に荷造りをしておくことも苦ではないですよね。
食べるものをあまり沢山入れておくと、定期的なチェックが面倒になってしまいますので、軽いものを最小限で良いと思います。
私がふだん気にしていることは、子ども達に抵抗力をつけさせることです。
確かに不衛生はダメですし、ウイルス予防も必要です。
でも、最近は何でも除菌除菌、清潔清潔、の世の中になって、私個人としてはこれでは子ども達の免疫力が落ちないかしらと不安視しているのです。
泥んこ遊びや土いじりを積極的にさせ、虫を取ったり花を摘んだり、ふだんから気にして外遊びをさせています。
直接災害対策になるわけではありませんが、子供のサバイバル力を高めてやるのも親の役目かなと考える今日この頃です。
鉄壁の対策で、たいへんな災害時を乗り切れるよう、あなたも今日から取り組んでみてください!
最後までお読み頂き、ありがたく思います、吉川 百でした。