こんにちは、吉川 百です。
子どもが鼻血を出した!、おじいちゃんがお風呂場で転んで頭を打った!、倒れている人を見かけた!
あなたはそんな時、正しく対処できますか?
イメージだけで、まるで効果のない処置や逆効果になるかもしれない行動をとっていないでしょうか。
選択する動作ひとつで、その後の病気やケガの回復にも関わり、また生命の危機を脱することができるほど重要な応急手当。
今回は日常よくある鼻血などの救急トラブルから、意識がなく倒れている人を救助する方法などをご紹介します。
日常生活以外にも、災害の際や外遊びの時など、知っておきたい大切な知識ばかり。
小さなわが子の急な出血で何度かパニックに陥り、そのたびに何とかしのいできた私が、いざという時に慌てない応急手当てのしかたをレクチャー致します。
知っていると知らないとでは大違い、出血を最小限に留められるか、大事な命を救えるかどうかの境目できっとお役に立ちますので、ぜひ参考にしてください。
■目次(クリックすると飛びます)
症状別の応急手当の方法
日常よくあるケガなどから重篤な場合まで、ケース別に応急手当をご説明します。
●鼻血が出た場合
②つまんだ指を、鼻の奥の方に向けてそのまま強く圧迫します。
③指で鼻を圧迫したままの姿勢で数分間様子を見ましょう。
!注意!
上を向いたり仰向けに寝ると、血が咽喉の方へと流れ込んで苦しく、気持ち悪くなりますのでやめましょう。
また、首のうしろをとんとんと叩く仕草はかなりメジャーですが、まったく意味がないのでやめておいてください。
●やけどをした場合
②水ぶくれができることが多いですが、これは患部を保護しようとする体の自然な反応ですから、つぶしたりしてはいけません(ガーゼなどをあて、守りましょう)。
!注意!
アロエがやけどに効くという説もありますが、自己判断でアロエや薬剤などを塗布するのはやめましょう。
衣類が熱で皮膚にくっついている時は、無理に脱ぐ(脱がせる)と皮膚を損傷する恐れもありますので、そのままで病院へ。
●すり傷
②なるべく清潔なガーゼやハンカチで患部を強めに押さえて止血。
③絆創膏などで清潔に保護します。
!注意!
傷口に繊維が残りやすいティッシュや綿は使用しないようにしてください。
あなたが誰かの手当をしてあげる場合、血液に直接触れないよう、手袋や清潔なビニールなどで手をカバーして作業しましょう。
●頭を打った時
激しくぶつかったり衝突した時に、一時的に意識や記憶がとぶような「脳しんとう」は、外見に変化が見られないこともあるので、脳神経外科を受診して異状がないことを確かめましょう。
●頭以外の打撲
打撲・脱臼・捻挫・骨折などの応急手当については、合言葉を覚えましょう。
RICE(=ライス)、と言ってみてください。
これは処置方法の頭文字をとって作られた言葉です。
I・・・Icing=冷却する
C・・・Compression=圧迫・固定する
E・・・Elevation=高く上げる
以上のような手当により、2次損傷を防ぎ、痛みを和らげることもできます。
目や鼻などはよく冷やしましょう。
目が開かなかったり、見え方がおかしい場合は目の周囲を骨折していることも考えられますので、至急病院へ。
倒れている人を見かけた場合
倒れている人を見かける場合というのは、いろんな状況が考えられますよね。
家庭内でもあり得ますが、道路や街を通行中、事故や事件現場・災害現場で見かけることもあるでしょう。
まずは、あなた自身の身の安全を確保することから始めてください。
周囲の協力が得られるようなら車や人の交通整理や連絡・手当など担当を決めて分担するとスムーズです。
①「大丈夫ですか?」と大きな声で話しかけ、やさしく肩をぽんぽんと叩いてみます。
②目を開けるか手で仕草をつくろうとするなどの反応がなければ、119番通報をし、協力者がいればAEDを持ってきてもらいましょう。
③呼吸を確認しましょう。
倒れている人の胸部や腹部が上下に動いていなかったり、しゃくりあげるような不定期の動きしか見られなければ心停止の可能性があります。
④心停止の場合は、両手の指のつけ根を胸骨の真ん中にあてて体重をかけ圧迫していきます。
倒れている人の胸が5センチほどは沈むくらい強く圧迫。
1分間に100回から120回の速く強い圧迫をキープできるよう、できれば協力者と交替で行いましょう。
1回1回、胸の高さが元の位置に戻るように、1回1回圧迫を解除しながら丁寧にします。
*人工呼吸の講習などを受けたことがあり、かつその時に行う意思のある方は、胸骨圧迫を30回程度行ったあとで2度の人工呼吸、というペースで救急車の到着まで手当を続けましょう。
AEDが到着したら、すぐに使用します。
AEDには音声ガイドがついていますから、落ち着いて従えば、どなたにでも使いこなせるはずです。
応急手当の方法に迷ったら
どれだけ予備知識を備えているつもりでも、救急の場面ではとっさの判断に悩むことも想定されますよね。
応急手当のしかたを決断しなければいけませんし、救急車を呼ぶべきかどうかの判断も迫られます。
そんな時には、不安なまま間違った手当をしまわないよう、信用できる機関に相談するのがいちばんです。
各自治体や大きな医療機関では、たいてい救急相談窓口を設置しています。
東京の場合は「東京消防庁救急相談センター」
大阪の場合は「救急安心センターおおさか」
どちらも短縮番号♯7119へかけると対応してくれます。
小さなお子さんの休日夜間救急相談については、全国統一の短縮番号♯8000で応じてくれます。
一部の回線では、短縮番号がつながらないものもありますので注意してください。
救急車を呼ぶべきかどうかや応急手当のしかたをアドバイスしてくれる頼もしいサービスですので、すぐに救急車を呼ぶべきかわからない時はまずは相談してみましょうね。
まとめ
子供は本当によく頭を打ったり鼻血を出しますので、そのたびに対処のしかたを即断しなければならず悩みます。
出血は、しばらく様子を見てまるで止まる気配がなければ救急車を呼ぶ必要もあるかもしれませんが、しっかり圧迫していれば少し時間がかかっても収まっていきます。
子供は血を見ると怖くなってぎゃん泣きしてしまい、よけいに出血が増える場合も多々ありますよね。
お母さんやお父さんがうろたえず、平常心を保つことが何より重要で、うちは血が出るとまず最初に子供がリラックスして見られる子供向けのテレビ番組をつけて見させます。
落ち着き、落ち着かせることは本当に一番大事かもしれません。
本能的に「これはまずいな」というのはわかるものだと思いますが、判断つかない時は安易に自己診断をしないで救急相談を利用しましょうね。
最後までお読み頂き、ありがたく思います、吉川 百でした。