こんにちは、吉川 百です。
子供は想像もつかない行動をしでかして大人たちを驚かせますよね。
危険予測のできない月齢のお子さんをお持ちのあなたは、いつもヒヤヒヤしていらっしゃることでしょう。
少しは予測ができるようになった幼児を育てている私でも、毎日目を離せないのですから、そのご心配は痛いほどわかります。
今回は、子供の事故を取り上げます。
特に乳幼児期に多い事故の内容や原因、その防止策を徹底調査。
何度となく冷や汗をかき、時には絶叫しながら、子供の事故や事故未遂を目撃してきた私に、あなたのかわいいお子さんの命を守るためのお手伝いをさせてください。
■目次(クリックすると飛びます)
子供の事故の原因
まず子供の事故をランキング形式でご紹介します。
■ワースト1位
◆転落・・・大人用のベッド・ハイチェアなど椅子類・ベビーカー・階段・遊具などから。
■ワースト2位
◆転倒・・・乗り物にのっていて・自ら転んで床や家具で打撲・歯ブラシをくわえたまま倒れて頬にささるなど。
■ワースト3位
◆誤飲・・・電池・タバコ・紙類・硬貨など。
■ワースト4位
◆接触・・・炊飯器・電気ポットなどの高温調理器具、熱い食べ物・飲み物など。
日々小さなお子さんとお過ごしのあなたならば、納得のランキングだと思います。
これらの事故原因は0~2歳児のどの時期にも共通して多く見られるものです。
しかし、月齢にともなう成長状態によって、何から転落するか、何を誤飲するかなどの「何」の部分が変わってきますよね。
そこで、月齢別に成長の特徴と事故原因をご紹介したいと思います。
●0歳児 成長の特徴と事故原因
転落については、ダントツで多いのが大人用のベッドからのようです。
両親と同じベッドで添い寝していたり、お昼寝で大人のベッドを使ったりしていると、誤って転落することがあるといいます。
寝返りが始まる生後5~6ヶ月までは、寝かせていても動かないから大丈夫だろうと油断していると、頭や脚の力で、意外にも少しずつ移動している場合があるのです。
また、睡眠時という意味では、重たい布団やまとわりつくような素材のシーツ類が動いて顔にかかり、窒息する事故もあります。
まだ自分で払いのけることができないことや、小さなお兄ちゃんお姉ちゃんが良かれと思って顔まで布団をかけてしまうというようなこともあるといいますので、お昼寝などでは必ず短い間隔で様子を見ましょう。
それから、スタイや紐つきの衣類を着けたまま眠っていて呼吸が苦しくなる事故もあるというので、必ず首周りにはよけいなものがないように気をつけてあげてください。
寝返り・ハイハイができるようになったら、運動に伴う危険はもっと強まります。
ベッドもそうですし、全身の筋力がついてくるので、お食事する時のハイチェアやベビーカーなどからの転落も目立つように。
誤飲についてはタバコと電池が多いといいます。
手に持ちやすく、口に運びやすい形状のものですから、うっかり手に触れると、赤ちゃんの習性でなめたりしているうちに間違って食べてしまうと思われます。
●1歳児 成長の特徴と事故原因
あんよができるようになってくる1歳児の転落事故では、階段がいちばん多いようです。
歩けるよろこびにまかせて、まだ頼りない足取りで階段を上ってしまうのですね。
好奇心や向上心にフタをすることはできないので、歯がゆいところですが、確かに1歳児は一日中、危険に立ち向かっているような気がします。
公園デビューするお子さんも増えるので、理由の上位ではありませんが、遊具からの転落もちらほら出てきます。
誤飲ではやはり電池・タバコが多いといいます。
指先が器用になってくるので、ボタン電池や硬貨をつまんで遊んでいるうちに口に入れるというのは自ずと増えてしまうのでしょう。
また、食事も自分で道具を使い始める時期ですが、まだ上手にできず、注意力も低いため、テーブルの上のものをこぼしてヤケドするなどということもあるかもしれません。
●2歳児 成長の特徴と事故原因
あんよも上手になって、動作が派手になってきます。
自分の能力を過信することで起こる事故も目立ってくるでしょう。
走っていて転倒、床や家具に頭を打ちつけるようなことがあったり、身長も伸びて知恵もつくので、台所などで台を使って危ないものに手を伸ばして事故に合う、などということも。
電気ポットや炊飯器の蒸気噴出し口でヤケドをする場合もあります。
転落では階段・椅子からが上位を保ちながらも、遊具からが数としては増えてきます。
公園に慣れて、大胆な遊び方をするようになって落ちるというのは、本当に多いと思います。
誤飲では、お絵かきや工作などをするようになるせいか、クレヨン・粘土なども見られるでしょう。
子供の事故の原因から防止策を考える
小さな子供に多い事故ごとに、防止策を考えてみます。
○転落
・なるべく大人のベッドに寝かせないようにしましょう。
どうしても寝かせなければならない必要がある場合は、転落を防ぐために
- 片側は必ず壁づけする
- 空いている側にベッドガードを設置する
といった配慮が必要です。
ベッドと壁の間に隙間があると、赤ちゃんが挟まって窒息する場合があるので、しっかりとベッドと壁をくっつけましょう。
壁付けできない場合は、両側にベッドガードを設置してください。
・お風呂の残り湯で溺れてしまうという事故も意外と多いのだそうです。
対策としましては
- 子供が小さいうちは残り湯はなるべく早いうちに使うか処分する
- 浴槽にはフタをしておく
といった事が有効です。
赤ちゃんが勝手に洗面所や浴室のドアを開けてしまった場合に備えて、音が出るように工夫しても良いかもしれません。
○転倒
・すべての転倒を防ぐことはできませんが、少しでも少なくする工夫は可能です。
- 家具や危ないものがあるところで走り回ることを控えるように、日頃から言って聞かせる
- 三輪車や自転車など乗り物に乗っている時は、大人がそばについていてあげる
- 口に食べ物やカトラリー・歯ブラシなどを入れたまま動き回らないよう、注意する
そして万が一の転倒に備えて、鋭い角のある家具などには、クッション性のあるものを貼るなどして、ケガを最小限に食い止めるようにしましょう。
○誤飲
・子供の手の届くところに、危険なものをおかないようにする事が重要です。
その上で、用心ために
- 扉のある収納にきちんとしまう
- 簡単に開くような扉や引き出しには、赤ちゃんの安全対策グッズを貼ってロックする
といった工夫をしましょう。
乳幼児の口径は39mm前後といわれており、飲み込める長さついては50mm前後と考えられています。
このくらいの大きさのものは、特に手にしたものをすぐに口に持っていく月齢のお子さんのいるご家庭では、徹底的にしまいましょう。
誤飲については、万が一起きてしまった時に、吐かせた方が良いものと悪いものがあるので気をつけましょう。
吐かせた方がいいもの
- タバコ
- 大人用の薬
- ナフタリンなど
成分が子供の身体に悪影響を与えるので、頭を下げて背中を叩くか、場合によっては指を入れ吐かせてあげ、すぐに受診してください。
吐かせないほうがいいもの
- 針のたぐい
- ボタン電池
- 灯油
- ガソリン
- 洗剤など
無理に吐かせると消化器官に損傷を与えたり、粘膜にダメージを与えてしまう恐れがあるので、そのままの状態で早急に受診しましょう。
実際に事故が起こると、お父さんお母さんも慌ててしまう事が非常に多いです。
慌てないようにするには、日頃からの心構えと起こった時の対処法を知っておくことが大切となります。
そこで、誤飲による応急処置の動画をご紹介しますので、ご覧になって参考にしてくださいね。
○接触
・お湯や蒸気の噴出し口に子供が近づかないようにしましょう。
炊飯器や電気ポットは、蒸気の噴出し口が最高で100℃に近くなるため本当に危険です。
対策としまては
- 子供の手の届かない高さになる場所に置く
- 使わない時はコンセントを抜く
- ポットに湯・水を残さない
といった事を意識しましょう。
そして、熱いものが危ないことを、言葉に関心を持ち始めた頃から習慣的に言い聞かせましょう。
子供は事故を起こすもの、被害を最小限に抑える心構えが大事
子供が流血したり、どこかを強くぶつけて腫らしたりしているのを見たくないあまり、行動を制限したり、だめだめばかり言ってしまっていませんか?
私はとても心配性で、歩き始めてしばらくした頃などは、子供が少し走り出したくらいで危ないからやめてなどと本気で言っていました。
実は、上の娘がテーブルの上の絵本と一緒に上体を滑らせ、テーブルにアゴを打ちつけたことがありました。
2歳になっていない頃です。
娘は歯で唇を強く噛んでしまい大出血。
私は小さな娘の初めての大量出血にパニックに陥り、わあわあ騒いでばかりいました。
いちばん驚いたのは娘で、あふれてくる血と私の動揺に怯えて大泣き、結果、もっと出血する事態に。
あげくの果てに、仕事中の夫に電話をかけ相談するという母親失格の醜態をさらしてしまいました。
私が子供を守るという自覚が欠けていたと、ものすごく落ち込み反省した記憶があります。
清潔な布などを強くあてていれば、血は必ず止まるから、とにかく落ち着かせてあげなよと、夫はとても冷静にアドバイスしてくれました。
あの日から私は、内心どんなに大パニックでも、子供に不安を与えない表情と声色をキープする訓練を始めました。
良い面もないではないですが、遊具や水遊びなど、楽しいことでもまず怖いと思ってしまって消極的になってしまうのは、私が危ないと言いすぎたせいかもしれないと反省しています。
大らかに子供の成長や好奇心を見守りながら、事故によるケガなどの被害を最小限に抑えるには、やはり心構えと知識が大切だと、今なら思えます。
そのために、応急処置の方法を頭に叩き込んでおくことは大切です。
このブログでも紹介した応急処置の記事をぜひご参考になさってください。
『応急手当ての方法を知っていざという時に役立てよう』はこちらから。
そして、何より大切なのは、もしも事故があった時に、冷静になるということです。
親が動揺して、初期対応を間違えたり、子供にも動揺を与えてしまうと、最小限に抑えられたはずのケガがひどくなることもあります。
子供に何かあった時は、私が冷静にならないと子供が危ない、という日々の言い聞かせが何より効果的だと思います。
もうひとつは、小さい子でも、やはり言葉での教育が必要だということ。
危ないものやことを、面倒でもひとつひとつくり返し教えるということです。
まとめ
子供の事故の対策を、原因から考えてみましたが、いかがだったでしょうか?
0歳から2歳程度の小さなお子さんは、昨日までできなかったからと油断していると、急に今日できるようになっていて2度見してしまうようなことがありますよね。
日々めまぐるしく成長していくこの小さな子供たちは、成長が著しいわりに、人間社会の常識や危険について、まだほとんど何もわかっていません。
なんとなく慣れてしまうと危機意識が薄れる日常生活の中には、このような小さなお子さんの命に関わる危険がたくさん潜んでいます。
先程も書きましたが、私は先回りして予防線をはってばかりいたせいで、特に上の子は怖がりで警戒心が強くなりました。
さて、事故防止対策、何もかも徹底的にやるというのも難しいですよね。
それに、多少は痛い思いもしないと、自分で危険を覚えていかない部分もありますので、そのあたりのバランスが悩ましいところです。
でも、今回ご紹介した命に関わるものについては、子供の手の届く場所から遠ざけましょう。
それは、やはりまだまだ危機意識も命の重さも知らない幼児を持つ親の義務だと思います。
最後までお読み頂き、ありがたく思います、吉川 百でした。